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質問177
 いつも先生のこのコーナーを楽しみに拝見いたしております。さて私も1つ質問させていただきたく、初めてメールを差し上げる次第です。
 某TOEIC文法問題集の
誤文訂正問題で下記の問題がありました。
The use of recording equipment and the taking of photography during a performance are strictly prohibited.
間違いを探すのですが、答えには
the taking of photography の部分が間違いで、taking of photographs が正しいとの事でした。解説では photography ではなく、photographs を使うとしか書いておらず、
定冠詞 the の説明がありませんでした。同じ問題集で動名詞+Oはthe+動名詞+Oに置き換え可能と書いてあり、文法的には間違いではないように感じるのですが、意味上の違いでしょうか?(taking of photographsthe taking of photographs では意味が違いますか?) やはり冠詞は難しいです。先生にご教示いただければすっきりすると思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。(J.S.)
直接冠詞に関するご質問であるかどうかは疑問なのですが、その前に整理しておきたいことがございます。「動名詞+Oはthe+動名詞+Oに置き換え可能」という部分の整理です。これは、たぶん問題集にある解説の単なる写し間違えでしょうから、それはそれとして、(ご質問とは直接関係はございませんが)まず次のことを整理復習しておきましょう。

辞書(ここではOALDを使用しています)で
of をひき、9番を研究しておきたいと思います。

9 used after nouns formed from verbs. The noun after 'of' can be either the object or the subject of the action:
the arrival of the police (= they arrive) * criticism of the police (= they are criticized) * fear of the dark * the howling of the wind

という解説と例が掲載されています。これを復習しておきましょう。まず解説部分では、「もとは動詞であったものが名詞になり、その名詞の後ろにつけた
of です」と解説されています。まずこれをご確認ください。そしてつぎにとても大切なことが書かれています。「その of の後ろにくる名詞は、(ここが大切!)もとの動詞が意味のなかに持っていた action の目的格あるいは主格のいずれかに当たる」と解説されています。上の英語の解説でご確認ください。

わかりにくかったかもしれません。そこで例が示されています。まず、the arrival of the police について考えてみましょう。arrival という名詞のもとの動詞は arrive です。arrive は自動詞であるため、the police という名詞句が目的格になることはありません。そのため the arrival of the police の意味として考えられるのは、the police が arrive という動詞の主格となり、the police arrive という節が持つ意味であるという一例でした。

つぎの例を考えてみましょう。criticism of the police という名詞句です。criticism という名詞のもとの動詞は criticize です。これは他動詞であるため目的格が必要です。そこで the police という名詞句が criticize という他動詞の主格なのか目的格なのかを考えてみるときに、文法的にはいずれも可能なのですが、意味の上で criticize the police という思考が自然であり、ここで態を置きかえ the police are criticized、つまり they are criticized と解説したのが上の第2例でした。

つぎの例にいってみましょう。fear of the dark という例です。fear という名詞のもとの動詞は fear です。これも他動詞ですから、the dark という名詞句は fear という動詞の持つ action の主格なのでしょうか。それとも目的格なのでしょうか。自然の摂理からして、主格であると考えるには無理があります。これは明らかに目的格でしょう。そのためこの例については the dark is feared という意味ですよという解説は施されていないのが上の第3例でした。

最後の例を考えてみましょう。the howling of the wind という名詞句です。howling という動名詞のもとの動詞は howl です。これは自動詞ですから、the wind という名詞句は howl という動詞の持つ action の主格になり、意味は the wind howls という節の意味であるのが第4例でした。

ここまでが整理と復習でした。ところで、ご質問の文ですが、これは、

The use of recording equipment and the taking of photographs during a performance are strictly prohibited.

という文が正解の文なのですが、問題の定冠詞はその前に一度定冠詞が使用されている(The use)ために、ここでは省略してもかまいません。そこで、これ(the)を省略して、

The use of recording equipment and (the) taking of photographs during a performance are strictly prohibited.

という文でかまわないのが問題集にあった正解の文でした。

今回はご質問ありがとうございました。また何かございましたらお便りください。楽しみにお待ちしています。
(西田)
事務局よりちょっと一言
いろいろなご質問を e-mail でお寄せいただきありがとうございます。
学院長は毎日、たくさんの授業を受け持っておりますので、なかなか皆さまのご質問すべてに即お答えする時間がございません。
少しずつではありますが、このコーナーをおかりして回答させていただきますのでご了承ください。
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(日高)